transparentproject karen aoki wataru sato yumihiko amano

大切なものを無くして
時が止まった静かな世界で
誰かを想う気持ちが
音楽になったら...

broken open ブロークン オープン トランスペアレントプロジェクト

broken open ブロークン オープン トランスペアレントプロジェクト

  • iTunes : ¥255
Music
Spotify
Line Music
..and more
  • RELEASED : 2021.02.26

℗ Rambling RECORDS

share my heart シェア マイ ハート トランスペアレントプロジェクト

share my heart シェア マイ ハート トランスペアレントプロジェクト

  • iTunes : ¥255
Music
Spotify
Line Music
..and more
  • RELEASED : 2021.02.19

℗ Rambling RECORDS

without you ウィズアウト ユー トランスペアレントプロジェクト

without you ウィズアウト ユー トランスペアレントプロジェクト

  • iTunes : ¥255
Music
Spotify
Line Music
..and more
  • RELEASED : 2021.02.12

℗ Rambling RECORDS

innocence イノセンス トランスペアレントプロジェクト

innocence イノセンス トランスペアレントプロジェクト

  • iTunes : ¥255
Music
Spotify
Line Music
..and more
  • RELEASED : 2021.02.05

℗ Rambling RECORDS

bule bird red bird

Story of Lilac

あるところにライラという少女がおりました。
ライラは遠い星から独りぼっち、この星にやってきました。

ライラの頭には、ギルドという名の、
蛇の形をした生き物がすんでいます。

ギルドは、ハリネズミのように刺々しく髪の形を変えたり
時には、トカゲの尻尾のように波をうって髪をくねらせます。

そして、まんなかには2つの瞳があり、
その瞳は、暗闇でぼうっと光るのでした。

ギルドはいつも、ライラのほんとうの心を呟きます。
でも、その声は誰にも聞こえません。

Lilac - Story of Lilac - 天野弓彦 青木カレン aoki karen yumihiko amano

ライラは地球に恋いこがれて育ちました。
だからライラの瞳は 青く光りました。
しかし、それを知る人はいませんでした。

ある日、ライラは海に向かいました。
ライラは海に恋こがれて育ったのです。
ですから、伝えきいた海の香りをたよりに、てくてくてくてく歩きました。

もうだいぶ歩いたら、海が見えました。
初めて見る海は、ライラが大好きな青色でした。
ライラは走り出しました。

目の前に兵隊が現れました。
「君を海に入れられないよ。君は僕たちとは違うから」
兵隊は言いました。

ライラはうなずいて言いました。
「分かりました」

ギルド「どうして私だけだめなの?」

ライラがとぼとぼと帰ろうとすると、
遠くのほうでイルカが飛び跳ねて
ライラのために愛のうたを歌ってくれました。

ライラは思いました。
この青色に光る海の美しさを、美しさだけを胸にきざもうと。

そうしてライラの瞳はもっと青く光るようになったのです。

ある日、ライラが住む町に、サーカスがやってきました。

サーカスの開会を告げる花火があがりました。
ライラは大きな光の輪を見て、行ってみたいと思いました。

ですから、てくてくてくてく歩いてサーカスに向かいました。
もうだいぶ歩いたら、真っ赤なテントが見えました。
ライラは汗だくでした。

入り口に立つと、門番が立っていました。
「君を中に入れられないよ。君は僕たちとは違うから」と
門番は言いました。

ライラは、うつむいて言いました。
「分かりました」

ライラ - Story of Lilac - 天野弓彦 青木カレン aoki karen yumihiko amano

ギルド「どうしていつも私だけ、だめなの!?」

すると、足元に花開いたばかりのたんぽぽが、
ライラのために愛のうたを歌ってくれました。

ライラは、この風にそよぐたんぽぽの美しさを、美しさだけを、
胸に刻もうと思いました。

そうしてライラの瞳は、もっともっと青く光るようになったのです。

立ち去ろうとしていると、少年がライラに話しかけました。

少年の名前はジョセフ サーカスの新人団員でした。

ジョセフ Story of Lilac - 天野弓彦 青木カレン aoki karen yumihiko amano

少年を見たとたん、ライラの鼓動は早まりました。
ライラは少年から目を離すことができませんでした。

「サーカスに遊びに来てくれたのかい?
入れなくて残念だったね」とライラに言いました。

そして続けて言いました。
「君の髪はとても素敵だね」

ライラは小さい声で「ありがとう」と言いました。

ライラ「私はこんな頭、大嫌い」「嘘をつくな!」

ライラは目をふせました。

ジョセフはライラの顔を下から覗きこみ、言いました。
「綺麗な瞳だね。まるで海のようだ」

ライラは、小さい声で「ありがとう」と言いました。

ギルド「ほんとうに?」

ジョセフは手を差し出して言いました。
「僕の手を見てごらん」

ジョセフの手の真ん中には、大きな穴がありました。

「この穴のせいで、ブランコをうまくつかめないんだ。」

ジョセフは使い古した鉄棒にひょいとつかまりました。

手がすべり ジョセフの体はどしんと地面にたたきつけられました。

ジョセフは笑いながら立ち上がりました。
どうして笑っていられるのか、ライラには分かりません。

ジョセフは毎日ライラに沢山の話をしてくれました。
旅の途中で出会った動物たちや、遠い国の星座の物語を。

ライラ - Story of Lilac - 天野弓彦 青木カレン aoki karen yumihiko amano

誰よりも高く遠く、空中ブランコを飛ぶことが彼の夢でした。

「君の夢はなに?」

ジョセフはたずねました。
ライラは答えることができませんでした。

ライラは、自分のことを、もっと知って欲しいと思いました。
でもライラは、その気持ちを伝えることができません。

公演が終わり、ジョセフは次の街へと旅立つ事になりました。

ジョセフは言いました。

「君の気持ちが知りたいな。僕のこと、どう思っているの?」

ギルドは叫びます。

ギルド「いかないで!!!」

ライラは言いました。

「さようなら」

夜になり、星空を見上げながら、ライラはジョセフが教えてくれた
星座の物語を思いだしました。

それは、年に一度だけしか会うことができない星と星の物語でした。

ライラは思いました。
自分の本当の気持ちを言えるようになりたい、と。

家に帰り、ライラは
「どうして私の頭はこんな形をしているのだろう」
と思いました。

ライラは、隣に住むおばあさんに、ギルドを切ってもらおうと思いました。

ライラはおばあさんをたずね、「これを切ってちょうだい」と言いました。

するとおばあさんは言いました。
「ああ、ちょうど良かった。さいきん夜の針仕事がキツくてねえ。
暗くて、何も見えないのさ。あなたのギルドちゃんを貸してちょうだい」

ギルドは嬉しそうに身体をふわふわとして、目を開き光を放ち、
おばあさんの手元をこうこうと照らしました。
そしておばあさんは、チクチクと冬のコートを縫ってくれたのです。

ある夜、ライラがギルドの瞳の光を頼りに夜道を歩いていると
人々が寄ってきました。

「ライラちゃん、さあ、うちにおいで。夕食の間、食卓を照らしておくれ」
「うちに来てくださいな、ライラさん」

人々は口々にライラを誘いました。

ライラは誘われるままに、食卓を、夜道を照らしました。
でも、どの家も、用が済むとぴしゃりとドアを閉めて
ライラを追い出してしまうのでした。

昼間になると ライラはひとりぼっちでした。

誰も彼女を誘うことはありません。
誰もライラと目をあわせません。

みんな、ライラがこわかったのです。

ギルド「どうしてのけものにするの!?」

ライラは隣のおばあさんをたずねて言いました。
「今度こそ これを切ってちょうだい」

おばあさんは言いました。
「今日は、ここでおやすみ。私と2人で寝ましょうね」

ライラは初めて誰かと一緒に眠りました。
おばあさんが用意してくれた寝床は、今までのどんなところよりも
あたたかく感じました。

翌日、ライラが水汲みから帰ると、おばあさんの家のほうから
騒がしい声が聞こえます。

木の陰からそっと見ると、村人たちがおばあさんに石をぶつけていました。

「夜の間だけあの子を貸してくれって言ってるんだよ!!」
「力づくでも連れて行くぞ!!」

すると、おばあさんは、木の棒にかまどの火をつけ
村人たち向けてぶんぶんふりまわしました。

「あの子はうちの子だよ。あの子に手をだしたら、承知しないよ!!」

村人たちはチッとつばを吐き消えていきました。

しばらくしてライラが家に戻ると、おばあさんは針仕事をしていました。
おばあさんは何も言いません。

ライラは何度もおばあさんに話しかけようとしましたが、何も言えませんでした。

ギルド「ありがとう」

それからライラはおばあさんと2人で暮らしました。
それは静かなあたたかな毎日でした。

スープをこさえては二人で分けあい、
森でリンゴをとっては二人で分けあい、
夜空の美しさも二人で分けあいました。

おばあさんはライラにいろいろなことを教えてくれました。

おばあさんが子供のころに聞いたおとぎ話や子守唄。
おばあさんの歌声は、まるで木々をやさしく撫でる風のようでした。

おばあさんとライラ Story of Lilac - 天野弓彦 青木カレン aoki karen yumihiko amano

しばらくすると、おばあさんは立ち上がれなくなりました。
ライラは毎日川に水とりに行きました。

そしてまた、しばらくすると、おばあさんの目が見えなくなりました。
だから、ライラは毎日お話を聞かせてあげました。

ある夜、おばあさんがかすれた声で言いました。
「ライラ、お前のかわいいお顔を見せておくれ」

すると、ギルドの瞳が優しくライラの顔を照らしました。

「またひとりにしてすまないね」おばあさんは言いました。

ライラは、いっしょうけんめい笑って言いました。「大丈夫よ」

ギルド「死なないで!!!私をひとりにしないで!!!」

そしてライラは、おばあさんの手を握って言いました。
「ありがとう」

ギルド「ありがとう」

その夜、おばあさんは息をひきとりました。
ライラはまた、ひとりきりになりました。

おばあさんが死んでしまって、
ライラは初めて本当の静けさを知りました。

ギルドの瞳からは涙がとめどなく流れていました。

翌朝、ライラは丘にのぼりました。
やわらかい風がライラの頬を撫でました。

その時、ライラには分かりました。
ライラはもうひとりではありません。

Story of Lilac - 天野弓彦 青木カレン aoki karen yumihiko amano

ライラの心には、おばあさんが、そしてギルドが
いつも話しかけてくれるからです。

冬が去って、春の近づいた頃、
ライラのもとに一枚の招待状が届きました。

それはサーカスの招待状でした。

ライラは思いました。
ギルドと一緒にジョセフに会いに行こう と。

「ありがとう」

ギルド「ありがとう」

ギルド Story of Lilac - 天野弓彦 青木カレン aoki karen yumihiko amano

@transparentproject_lilac

singer

Karen Aoki

Karen Aoki

ジャズシンガー。アルバム2作品がジャズ専門誌ADLIBの「アドリブアワード(クラブ/ダンス部門)」受賞。2010年ベストドレッサー賞の新人部門であるベストデビュタント賞を授賞。2011年6月公開の織田 裕二主演の大人気映画「アンダルシア 女神の報復」の挿入歌を 担当。NHK Eテレ「3か月トピック英会話」〜魅惑のスタンダード・ジャズ編〜に出演し話題に。2012年夏には初のニューヨーク公演を成功させる。同年秋、フジテレビ 系ドラマ「結婚しない」の挿入歌を担当。

2012年9月には舘ひろしのアルバムにデュエット曲「銀座の恋の 物語」が収録され、NHKの音楽番組㻿ONG㻿 に出演。2012年12月、映画音楽の名曲をジャズ・アレンジしたラブ・ソング集、アルバム「ト ランキュリティ」をリリース。その他にも映画「ガリレオ 真夏の方程式」、フジテレビ系ドラマ「昼顔〜平日午後3時の恋人たち」の挿入曲を歌唱、2016年秋放送テレビアニメ「ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない」のオープニング・テーマを担当するなど幅広く活動。2017年夏には初の全曲オリジナル楽曲によるアルバム「㼀he Calling」をリリース。2019年にはフジテレビ系ドラマ「シャーロック」、そして同年公開の映画「コンフィデンスマンJP」の挿入歌「Walking away」をfox capture planのプロデュースのもと歌唱した。2016年に歌唱した、ジョジョの奇妙な冒険のOPテーマ「Great Days:青木カレン/ハセガワ ダイスケ」はSpotify “Global Hits Japan 2020”で34位にランクインするなど、世界中で大ヒットロングセラーになっている。

Collaborated Artists

pianist

Wataru Sato

Wataru Sato

1990年生まれ。神奈川県在住のピアニスト・作曲家。本名:佐藤 航。 2010年よりソロプロジェクト’‘Gecko’'として活動を開始し、当初はピアノを基調としたエレクトロニカ・ポストクラシカル作品を生み出していた。現在はメランコリックな世界観のピアノソロ楽曲を生み出し、ミニマル・ポストクラシカルの新鋭として活動。バンド編成Gecko&Tokage Paradeではジャズ・フュージョン界の新星として注目を浴び、Motion Blue yokohama等での単独公演を成功させている。

ピアノソロアルバムとしてはこれまでに4作品をリリースしており、ポストクラシカル作品の先鋭として評価を得ている。またErased Tapes等からリリースしている’'世界最速’'とも呼ばれるピアニストLubomyr Melnykに師事し、その独特の奏法を吸収し作品に取り入れている。

バンド編成Gecko&Tokage Paradeでも精力的にリリースを重ね、2019年に自主レーベルよりPlaywrightに移籍。2021年1月に4thアルバム"Borderline"をリリースする。またサポートとして、ex.the cabsの高橋國光のソロプロジェクト"österreich"やex.ハイスイノナサの"鎌野愛"のライブなどに参加している。

Collaborated Artists

painter

天野弓彦 yumihiko amano

天野弓彦

アニメ会社を経て2000年より画家として活動を始める。「絵画展・武将シリーズ」「ALL IS DREAM」「UNDEAD」等の個展を開催。実験的アーティスト集団Alphactのメンバーとして舞台美術、衣装デザインなども手掛ける。2018年、AKIYA(ex.kagrra,)との共同プロジェクト『九印(クイン)』をスタートさせる。FMからつ毎週火曜21〜22時「CARPE DIEM」ラジオパーソナリティ

小林十市 振付作品「振付悪夢」ダンスアクト公演「ハムレットパレード」美術担当。手塚治虫原作の舞台「陽だまりの樹」に桜の背景画を提供。

スクウェアエニックスSQシリーズ「Last SQ」MSSP 2ndアルバム「M.S.S.Phantom」Mili & araitasuku 「Holy & Darkness」等のジャケットイラストを手がける。